絣の流儀

結城の続きです

前回は結城の第一条件、手紡ぎ真綿糸で、今回は第二条件、糸くくりの絣です

絣とは、染めるところと、染めないところを作った糸を使って織った織物に模様を描くことです。白生地を織って後から染める「染物」はどんな柄でも自由に染められますが、織る前の糸に、織った時に柄になるようにあらかじめ染めておくというのは、緻密な計算をはじめに行う高度な技術です。

絣を作るためには、色々な手法がありますが、結城の流儀は、何本か束ねた糸を綿(めん)の糸できつく括ることで、その場所に染料が入らないようにする方法です。結城の糸を染めるためには、染料が奥まで届くように糸を染料に浸したあと、床に叩きつけて染めるやや乱暴なやり方なので、括る力加減が重要ですが、失敗はゆるされない工程で、熟練の技が必要です

青い糸が横に張られて、ちいさな白い括り糸がいっぱいついていますが、これだけの量も織り上げるとたった数センチの分しかありません。気の遠くなる作業です。

つづく

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